焼肉屋店主の主張 其の十七

新年早々、一月三日にイラクのバクダッド国際空港内で、イランのイスラム革命防衛隊コッズとイラクの人民動員隊の車列に米軍の主力無人機MQ-9(リーバー)によるミサイル攻撃があり、米国がテロ組織に指定しているイランのソレイマニ司令官及び幹部とイランが支援するイラクシーア派武装組織「カタイブ・ヒズボラ」の最高指導者ムハンディス人民動員隊副司令官ら8人が排除されました。
イランのソレイマニ司令官は、反イスラエル、反米保守強硬派で、イランの対外工作を取り仕切り、過去20年間、中東でテロを主導し、イラクやシリア、レバノンなどに武器を供与し、「中東の抵抗戦線」を築き上げたイラン最高指導者ハメネイ師のNO.2に位置する人物でした。
今回、米軍の攻撃の背景には、2019年十二月二十七日キルクーク近郊のイラク軍基地が、ヒズボラ武装勢力によるロケット弾攻撃で、米国民間人一人が死亡し、米軍兵士四人とイラク治安部隊員二人が負傷した事から、米軍は、武装勢力の拠点五ヶ所を報復攻撃しています。
十二月三十一日には、この攻撃を非難するシーア派団体構成員が、バクダッド市内で数千人規模の抗議活動を展開し、米国大使館に放火、侵入を試みるなど、暴徒化し大使館側の応戦により、六十人が負傷しています。
米国エスパー国防長官は、これら攻撃の応酬をめぐり、イラン及びその影響下にあるヒズボラとの関係は、「一変した」と場合によっては、イランへの先制攻撃もありいうる事を警告していました。
2019年六月に2億2000万ドル(約236億円)のグローバルホークが、イランの地対空ミサイル「ホルダード3」によって、撃墜された報復に米軍は、イランのミサイル基地を攻撃する直前に突然中止命令を出したトランプさんに、米国内や親米アラブ諸国から批判を浴びていました。
又、二〇一九年九月には、サウジアラビアの石油施設が攻撃を受けた時も、イランの犯行であると主張しながら、報復に出ず、サウジ側の不信を招いています。
二〇一九年十月には、バクダッドを中心にイラン傀儡政府の腐敗に批判の大規模なデモが、反イランの性格も帯びて、シーア派の聖地ナシャフのイラン総領事館が、放火され、デモをイラク政府治安部隊とシーア派民兵が、実弾で弾圧して、四百人以上の死者を出しています。
弾圧を主導したのは、ソレイマニ司令官の指示を受けたと言われる民兵組織PMFでした。
今回のバクダッド空港事件は、米軍がソレイマニ司令官の位置を事前に把握して、ピンポイントで攻撃したものではなく、米国本土から追跡システムを使い、その動きをリアルタイムで監視し、被害が最小限で収まる攻撃を行う方法を取っていて、最後までぶれないトランプさんが決断した結果で、2020年一月四日には、米軍 第二空挺師団の増派が決定し、中東への派遣規模は、最大三千五百人に達します。
トランプさんは、ツイッターで、米国人や米国施設を攻撃した場合は、報復攻撃にイランの重要施設を1979年に発生したイラン革命の米軍大使館人質事件の人質と同数の52ヵ所を標的に定めているとあかして、2012年のオバマ政権時に起きたリビアのベンガジにある米国領事館襲撃事件で多数の犠牲者を出した対応の違いを強調しています。
イランの最高指導者ハメネイ師は、当然報復を宣言していて、一月八日にイラク西部のアサド空軍基地と北部のアルビルの基地に駐留する米軍を弾道ミサイル15発で攻撃して「平手打ちを食らわせた」と殺害された八人の10倍返しの八十人の米兵を殺害したと国営イラン放送は、報じています。
米国は、イランのミサイル攻撃に被害がなかったと反撃せず、イラン側の面子を立て、国家間の戦争は、両国の思惑があり回避され多様ですが、アラブ諸国で活動する反米、反イスラエルのシーア派民兵武装組織は健在で、中東情勢は、予断を許さない混迷を極めています。
今世界では、石油輸送のシーレーン確保が課題になっているのですが、日本では、又候左派野党の皆さんは、代替案も出さず、海自艦派遣に異を唱えています。
中東は、日本経済や社会にとって、どれほど重要なのでしょうか。
「今日の石油産業2019」によると、日本は、原油のほぼ全てを輸入していて、輸入先のほとんどが中東です。
ペルシャ湾とオマーン湾の間にあるホルムズ海峡は、海上交通の要衝であり、日本船舶協会によると、原油や液化天然ガス(LNG)を運搬する日本関係のタンカーは、年間に約3800隻で、1日に約10隻が航行しています。
ホルムズ海峡は、船舶が出入りできる幅が、3キロずつ程度しかない為、タンカーは安全航行にイラン寄りではないルートを選び、通常は14ノット(時速25キロ)で航行するのですが、現在は、16~17ノット(時速約30キロ)にスピードを上げて沿岸から狙われないように腐心しているそうです。
万一、米国とイランが開戦になり、同海峡が封鎖されるとたちまち石油価格は急騰します。
日本には、石油の備蓄は、18年度末で222日分あるそうですが、状況次第では、ガソリンは配給制になり、計画停電もあり得る事から、日本経済及び国民の社会生活にも大ダメージになる事態に備えなければなりません。
日本は、火力発電、水力発電に原子力発電、再生可能エネルギーによる発電をバランスよく組み合わせた政策を進めてきたのですが、2011年の東日本大震災に伴う福島原発事故を受けて、現在、再稼働した原発は33基中9期にとどまり、火力発電が地球温暖化対策で日本が避難されている中、約八割にもなっています。
中東での緊張が続けば日本のエネルギーは、危機的事態を迎えかねません。
日本の原発は、1980年代を中心にエネルギーを中東に依存しない目的で造られました。
中東危機が迫る中、日本政府は、安全保障と地球温暖化対策の観点からも震災後の新たな安全基準に適合した原発は、稼働させるべきではないでしょうか。
又、原発特別防護法を設けて、警察からの外郭団体を新設し、重火器を携帯できるようにして、武装テロリストから原発を守る事も必要になってきています。
イランは、2010年からの国際制裁により、兵器輸入を制限されていて、保有する外国製兵器の多くが時代遅れになっている様なのですが、イランは国産兵器の開発で大きく進歩を遂げていて「ホルダード3」「メルサド16」「ババル373」など地対空ミサイルの開発に成功しています。
他にもロケット砲の「ファジル5」や短距離ミサイル「ゼルザル」射程2000キロの弾道ミサイル「ホラムシャハル」に長距離巡航ミサイル「スーマール」は、ヨーロッパを射程に収める国産兵器を保有いています。
又、無人機にも力を入れていて、イスラム教の聖典コーランに出てくる神が遣わした鳥の名を冠する「アバビール」は、アフガニスタンで墜落した残骸を回収いているイランへの協力者の映像から米軍のRQ-1(プレデター)のコピーと推察されています。
更に自爆攻撃用のドローン開発も進めていて、ミサイルの一部やドローンが、レバノン、イラク、シラク、イエメンなど親イラクのシーア派武装勢力に供与されていると言われています。
このように周辺国の反米武装勢を支援する戦略を主導してきたのが、今回暗殺されたソレイマニ司令官でした。
米国との直接対決で、長年かけ、何百億ドルも注ぎ込んだ核施設が破壊される事を避けたいイラン最高指導者ハメネイ師は、イマル・サアニ副司令官を後任に指名し、アラブ諸国の武装勢力の支援継続する方針を打ち出している事からも、中東情勢は、まさに火薬庫と例えられます。
自国のタンカーは、自国で守るのが国際常識なのですが、左派野党の皆さんは、日本のタンカーを何処の国に守ってもらい、イラン在留邦人保護を何処の国にお願いするつもりなのでしょうか。
日本国家の矜持は、お持ちにならないのでしょうか。
アフガニスタンで長年現地住民の生活環境の改善に尽くしてきた日本人医師の中村さんは、日本憲法9条を唱える9条信奉者だったのですが、殺害されてしまいました。
これが世界の現実です。
一月八日に首都テヘランから飛び立ったウクライナ旅客機が、米軍機と誤認する人為的ミスで撃墜され、百七十六人の犠牲者を出した事件がありましたが、理解できないのは、イラクが米軍のイラクの拠点をミサイル攻撃した五時間後なのに空港管制官は、離陸許可を何故出したかです。
米軍の反撃に備えるイラク軍の防空網は、極度の緊張状態にあった事は、安易に想像できる事からイラク政府は、空港閉鎖を命じなければならなかったのではないでしょうか。
この事から、信じられないイラン最高指導者ハメネイ師を批判するデモが起きていて、混乱の長期化が予想され、石油の安定供給が危ぶまれます。
更には、朝鮮半島有事が控えていて日本一国だけの平和が望めない環境になっています。
先進諸国から国際社会の一員としての日本の役割を求められている事から、戦後洗脳、呪縛教育の自縛を解き、国際貢献にお金や物資だけではない人的(命を賭す)貢献をしなければならない時代が来てると思うのは私だけでしょうか。
気になるニュース
最後に気になるニュースがあったので、お知らせします。
令和二年は、日本でオリンピック、パラリンピックが開催されますが、韓国がまた日本を貶める「放射能五輪」と捏造したポスターを制作し、世界中に拡散しました。
卑劣で執拗な反日プロパガンダを繰り返す韓国政府が支援する「VANK」(バンク)でインターネットを通じて、対外広報を行っています。
ポスターは、東京五輪のエンブレムや「TOKYO 2020」の文字、日の丸を背景に白い防護服姿の人物が、放射能をイメージした緑色のたいまつを手に走る様子が描かれています。
国際オリンピック委員会(IOC)は、「五輪の政治利用」などを禁じた五輪憲章(第五〇条)があり、いかなる種類のデモンストレーションやプロパガンダを認めず、大会エンブレムの使用も禁じています。
エセ徴用工に始まり、国際ルールを守れない歪んだ国の韓国、日本国内には、多くの在日の人達が暮らしている事を忘れているのか、同胞は、北朝鮮だけだと思考しているのでしょうか。
国際法を守れる国になるまで日本は、民間交流だけに止めるのが正解なのかもしれません。
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