不祥事続出 警察にも適用できないか「組織犯罪処罰法」 女装露出、ひき逃げ、窃盗、住居侵入

身内に甘い警察は変態天国

暴排条例の取材をしていた本誌記者に対し、関東に本拠を置く某組織の若手幹部がこう吐き捨てた。
「お前さ、俺たちのことばっか取材してねえで、ちっとは逆の取材しろよ。女装したお巡りが女子高生にチ○コ見せて捕まったり、スロットでコイン抜いて窃盗で捕まったり、引き逃げしたり、集団でETCの不正利用やってパクられたりしてるじゃん。あいつら、日本最大の犯罪集団だぜ。しかも、そんな犯罪ばっかりやるヤツらが合法的に拳銃持ってるし。何年か前にはスナックの姉ちゃんに入れあげた警官がストーカーになって、その女撃ち殺して自分も自殺した事件があっただろ。俺らは末端の組員が捕まったら親分まで使用者責任かけられるけど、殺人者まで出しておいて警察のトップはおとがめなしって不公平だろう。これだけ犯罪者を出してるんだから、組織犯罪処罰法を適用して、警察官排除条例も作ってもらいたいよ」

御説ごもっともである。確かにこのところ警察官の不祥事が頻発し、逮捕者も続出。連日のように新聞を賑わせている。
なかでも悪質だったのが、ヤクザ幹部が指摘した露出変態警官だ。
4月8日に逮捕された警視庁交通総務課に所属する警部補(37)の容疑は公然わいせつ。3月11日の夜、東京都武蔵野市のマンションで女子高生(16)に下半身を露出した疑いだが、なんと犯行時はセーラー服にカツラをかぶった女装姿だったのである。
この変態警部補、女子高生と一緒に乗ったエレベーターを先に降り、「見て下さい」と言いながらスカートをまくり上げ、女子高生の反応を楽しんだ後に立ち去ったという。堅物の警官らしく敬語を使っているのが笑えるが、被害者の女子高生にとっては笑えない悪夢だったに違いない。
警部補の自宅からは女性用衣類など“女装グッズ”が押収され、調べに対して「女装姿で下半身を見せた事は間違いない。ほかにも何件かやった」と余罪までにおわせているというから開いた口がふさがらない。
「実際、府中市や武蔵野市では、昨年10月から女装した男による同様の事件が数件起きています。当時の警部補は南大沢署交通課に所属。今月からは千代田区役所に派遣され、安全生活課の係長として路上喫煙の取り締まりなどを担当していた」(社会部記者)
路上喫煙を取り締まる立場の人間が、夜な夜な路上開チンしていたというのも笑い話だが、ハレンチ事件はこれにとどまらない。

今年2月にも、ススキノのSMバーで全裸になったとして公然わいせつに問われた変態警官がいる。
事件の舞台となったSMバーは、深夜営業飲食店の許可しか受けていないにもかかわらず、風俗営業を行っている疑いがあった。
そのため事件当日、札幌中央署が風営法違反容疑で同店を摘発したところ、男女15名ほどの客の前で全裸になり、女性従業員から陰部付近を赤いロープで縛られて“緊縛プレイ”に興じている男がいた。
このドM野郎が、実は北海道警厚別署留置管理課の巡査長(28)だったのだ。

こちらも、緊縛好きの変態が“お縄になる”という落語レベルのオチがついたが、彼らの性的欲求は“身内”に向かうケースもあるからやっかいだ。
今年1月25日、千葉県警千葉西署に住居侵入と器物損壊容疑で逮捕されたのは、千葉中央署刑事1課鑑識係の巡査(28)。前日の夕方、合鍵を使って同じ官舎に住む男性警察官宅に侵入した疑いで逮捕されたのだが、その動機は救いようのないものだった。
逮捕当初は「酔っていて覚えていない」などと供述していたが、酒のニオイがしないことから追及を受け、「(隣室に住む)奥さんの下着が見たかった」と告白したのである。
「同月から、この巡査が官舎の管理人を務めており、合鍵を保管していたんです。この立場を利用し、合鍵を作成。侵入した際、男性警察官が帰宅してきたため、ガラス戸を破って逃走したんです」(地元記者)
日本一安全なはずの警察官舎すら、この有り様なのだ。

ヤクザを使って同僚に復讐

『警察官の犯罪白書』(幻冬舎)や『上場企業が警察に抹殺された日』(扶桑社)など、警察問題の著書も多い作家の宮崎学さんにコメントを求めると、皮肉たっぷりに笑い飛ばした。
「SM好きとかセーラー服マニアとか、いい話じゃないですか(笑)。むしろ『こんな人も警察にいるんだなあ。警察官の鑑だなあ』と嬉しくなった。こういう珍事件は、今の世知辛い時代における一服の清涼剤と言えます。こんなエロ不祥事程度なら、私は許しますよ。警察庁長官や警視総監たちに『使用者責任を問え!』と大上段に構えなくてもいいでしょう。私は、“ヘンタイもいる明るい社会”がいいと思うから。今は何かというとコンプライアンス(法令遵守)とかやかましくて、全体的に余裕がなくなってきている。変態行為に走る者や心を病む者が増えるのは、社会の窮屈さというか、余裕のなさも原因だと思っています」

宮崎氏は、個人レベルのハレンチ事件は以前から起こっていたのだろうとした上で、「今は隠さなくなっただけで昔は組織的に庇っていた」と指摘する。
では、なぜ庇わなくなったのか--。
「裏金作りや証拠捏造、ヤラセ捜査など組織的な犯罪とは違うからでしょう。組織として関わったことは、きっちり抑え込んで表に出さない。しかし、個人の性向によるものは組織に何らダメージがありません。せいぜい会見で頭を下げればいいだけで、こんな変態は容赦なく切り捨てていいんだと考えているのかもしれません。あるいは『こんなに一生懸命に犯罪対策をやっています。たとえ身内でも許しません』というような、パフォーマンス的な潔白さをアピールしているのかもしれませんね」

合法的に銃を持つ警察は“29万人体制の日本最大の暴力団”と批判してきた宮崎氏だが、そんな同氏をも仰天させるような事件も起こっている。
4月6日、岡山県警に住居侵入と器物損壊容疑で逮捕された、同県警通信指令課の警部補(52)のケース。なんとこの警部補、知人の元暴力団組長に頼んで、部下の女性警察官の車に薬剤をかけて塗装を剥がすという暴挙に及んだのだ。
「事件が起こったのは’09年10月のこと。警部補と元組長が共謀し、ヤクザの若い衆に指示。深夜、岡山市内にある女性警察官の自宅駐車場で、夫所有の軽乗用車に塗装の剥離剤や消化剤などをかけさせたというのです。警部補が、『女性警察官の日頃の言動に腹を立てている』と元組長に漏らしたところ、『それならやってやればいい』と言われてセコイ嫌がらせを実行に移したというのですが、犯行自体は用意周到。実行犯以外にも組関係者が関わっていたというのですから、まさに組織犯罪ですよ」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

労組や左翼関係者の良心的な弁護人として知られる大口昭彦弁護士は次のように指摘する。
「’99年に警察内部のいじめや桶川ストーカー事件など捜査の手抜きが大問題になったことから、警察は刷新会議を開催してあり方を検討しましたが、まったくの御手盛りでした。現在も不祥事がなくならず、検挙率が下がり続けるのは、体質が変わっていないからですね。私は日常的に刑事弁護人として警察に接しており、現場には良心的な人も少なくないと思うので、何とも言えないところもありますが、やはり全体的にモラール(士気)が低下しているのでしょう。不祥事の多発はその表れでしょうね。一方で公安警察だけは人員増で存在感を強めており、これも危惧しています。いずれにしろ不祥事がメディアでこれだけ問題になっているのですから、今こそ抜本改革をして、警察全体であり方を見直すべきです」

一方、検察の裏金問題を告発してきた元検察官の三井環氏は、「警察も検察も裁判所も根本的な病理は同じ」とあきらめ顔だ。
「検察にも裁判所にも、口に出すのもはばかられるようなハレンチ事件はあります。ゆるい体質そのものは変わっていないし、今後も変わらないでしょう。そういう中で証拠捏造などの冤罪も作られてきたのです。もちろん警察庁長官などトップの責任は重いけれど、本当に警察そのものを変えたければ厳格な第三者のチェック機関を設置すべきでしょうね。難しいと思いますが、こういう体質を変えない限りハレンチな不祥事も冤罪もなくなりません」 こんな不祥事だらけの警察に冤罪をかけられたら死んでも死にきれない。自己防衛の意識を高めるべきだ。

宮崎 学オフィシャルサイトより

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