コロナワクチン接種が、急がれる中、7月23日開催の東京五輪が、近付いていますが、幾ら日本のコロナ感染者や死者数が少なく、国際公約とはいえ国内は、感染拡大にワクチン接種が遅れている状況に可能であれば、開催延期が望ましいのは云うまでもない事です。 2013年9月に2020年五輪が、東京に決まった時の開催予算7,340億円、8月開催となっていたのですが、東京五輪の開催費は、組織委員予算だけで、1兆6,440億円と関連費用を合わせると3兆円を超えると云われていて、この内、IOCの負担額は、1,410億円で割合にして、8.5%です。 開催費用が、膨らむ要因に五輪ビジネスに群がり、喰い物にする連中の存在が問題です。 丸川五輪担当相は、5月28日に閣議後記者会見で、東京五輪組織委員会による民間企業への会場運営委託費について、「実際に公費を払わないのかとなった時点でチェックする」との見解を示していますが、契約を締結した事を簡単に取り消す事が可能なものか疑念が生じます。 毎日新聞が、入手した契約書にひも付けられた内訳書に大会準備運営に当るディレクターなどの一人当たりの単価として、最高一日35万と記載されていて、これまで一人当たり単価の最高額30万から更に高くなっています。 パソナの東京五輪大会スタッフ(職員)の募集概要によると責任を担うマネージャーでもスタッフでも時給1650円(深夜は25%割増賃金)日給にして、約1万2,000円です。 この事から、必要な経費やバックヤード費用は、パソナの中抜き料なのでしょうか。 6月6日の日テレ放送で、パソナ会長の竹中なる人物が、世界イベントである五輪開催は責任があって、世論の6,7割が中止や延期だといっている事に対して、「世論は、しょっちゅう間違います。」と利権を守る事に熱弁を振るっていました。 海外の報道では、五輪放映権を持つ米国NBCで五輪中継の司会を12回も務めたボブ・コスタス氏が、「東京五輪は、2022年に延期すべきで、1990年代以前の夏季、冬季大会が、同年開催されていた頃に戻る事が望ましい」と語っています。 五輪の商業化は、1984年のロサンゼルス大会からで、五輪は、公益事業ではなく巨大商業イベントとして、五輪の基本理念「アマチュアスポーツの祭典」という概念は既にありません。 ロス以前の予算の多くは、税金で賄われていた事から、節約の為に無償ボランティアは、必要不可欠でした。 今回の東京五輪の予算が、4倍以上と巨額になり、前回、前々会と比べても倍以上になっている商業五輪は、無償行為のボランティアの精神とは相反するものです。 IOCの最大の特徴は、オリンピックという商業イベントを主催する以外、殆ど機能を持たない点で、選手は、IOCに属していません。 各競技の運営は、IFで選手を派遣するのは、各国オリンピック委員会(NOC)です。 IOCは、「平和の祭典」という美名の感動する番組をパッケージ化して、開催都市に法外な値段で売りつけるイベント屋なのです。 コロナ禍の中、過程を批判しますが、五輪開催の公益性と目的を再確認し、悔いいる様な汚点を残さないクリーンな大会になる事を望みます。 コロナ禍を有事と捉え臨戦態勢を敷く為の法整備を急がなかった日本の政治家は、国民に信託された議員だという自身の立場を理解できているのでしょうか。 海外では、コロナ感染症による犠牲者は、約380万人と悲惨な状況が報じられています。 日本では、爆弾が爆発しないから有事ではないと、危機管理に疎い国会議員にTV報道に洗脳された多くの国民は思っているようですが、コロナウイルスという爆弾が、爆発している今が有事なのです。 ワクチン接種に必要な準備をする時間は、昨年から十分にあったにも拘らず、自治体で混乱が起きたり、医師法の岩盤規制に阻まれ、ワクチンの打ち手の問題が生じたりしていました。 菅さんは、指示を出しても動かない厚労省や自治体、日本医師会の対応を河野大臣に任せてきた事に見切りを付け、国防の最高司令官として自衛隊に大規模会場でのワクチン対象者への接種を命じ、歯科医師による接種を解禁した上、薬剤師などの活用など医師会に圧力を懸けながら、自ら説得に動き、接種手数料の上積みと看護協会に対しても、手当ての大幅引き上げを約束した事により、5月24日から東京、大阪で始まった自衛隊によるワクチン大規模接種に触発され、日本医師会も協力に転じてワクチン接種が本格的に進んでいます。 しかし、東京五輪を開催するなら、国民の6割に接種を終えて、常任された国産ワクチンを担保に安全安心のメッセージを世界に発信する事でしたが、長年に渡り有事に対する議論をタブー視して来た事が枷になり、意思決定に時間が掛かる日本の弱点を曝け出しています。 与野党の国会議員や日本医師会は、コロナ禍という有事の意識が欠如していて、特に命を預かる医療システムに重大な欠陥がある事が明らかになり、コロナ感染症に懸命に立ち向かう優秀な医療従事者達とコロナ患者を拒否し、日本医師会を支持する者達とに明確に判別されています。 有事には、常識や合意を無視したスピード感ある事態に沿った意思決定が必要で、世界各国のリーダーは、コロナ禍は、生物兵器との戦争と捉えていて、総司令官のワクチン接種が逸早く行われました。 有事には、司令塔を守るのは当然で、優先順位があるのが常識です。 日本では、医療従事者より遅い3月16日に総司令官の菅さんが日米首脳会議を理由に接種を受けていて、小池都知事は、6月5日でした。 米国のバイデン大統領は、就任前の12月に接種を終えていて、英王室は、1月9日にエリザベス女王の接種の発表があったのですが、日本の上皇さまと上皇后さまは、6月1日で天皇、皇后両陛下のワクチン接種は、宮内庁が検討しているそうです。 有事に平時の対応で「まず、国民から」という薄っぺらな美徳が重視される社会が、今の日本の姿です。 非常事態には、総司令官に医療従事者、警察官、消防官に国防を支える自衛官、司法、行政従事者が、感染症の最前線で戦うのです。 国民の生命、財産を守るべき者達を優先的にワクチン接種する事が当然なのに、平時を装い過度の平等意識に捕われ優先順位を誤る愚を何時まで続ける積もりなのでしょうか。 |
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