焼肉屋店主の主張 其の五十四

新年を迎えて、変革の年になる事を期待したいのですが、昨年より防衛関連の話題が多い様で、国家安全保障戦略が決定する前に、高額な兵器購入が決まる不可解さは、なぜ起こるのでしょうか。
防衛省は、陸上自衛隊96式装輪装甲車の人員輸送型後継車輌にフィンランド製「パトリアAMV(装甲モジュラー車輌)」に決定したと発表しています。
一般的な装甲車の価格は、概ね約5億と言われていて、500両の発注には、約2500億円が拠出されます。
防衛装備庁は、「防衛産業基盤を国内に維持し、強化する必要がある。」として、次の2点を挙げています。
1. 国土特性等に適合した装備品を取得する事は、我が国防衛の観点から極めて重要である。
又、防衛生産、技術基盤は、防衛力そのものである。
2. 経済安全保障の観点から、我が国の自立性の確保、及び不可欠性の獲得が、喫緊の課題である。
防衛生産、技術基盤を国内に維持し、強化する必要性は一段と高い。
と強調していますが、現実に起きているのは、フィンランド製の装輪装甲車の導入では、我が国の防衛の観点が笑ってしまいます。
ウクライナで起きている戦闘からの教訓は、継戦能力の必要性で、必要な時に必要な武器を導入出来る為の日本の防衛産業育成で、日本国内の日本産業に委託する事が、望ましいのではないのでしょうか。
パトリアAMVは、既存の車両で三菱重工の装輪装甲車は、試作品なのですが、外国のAMVに決定しなければならない程の差があったのでしょうか。
決定評価の中に日本防衛産業育成の観点は、考慮されたのでしょうか。
仮に性能が、少々劣っているとすれば、製造前に改善が可能なのではと愚考するのは、素人の浅はかなのでしょうか。
関係者の話しによると、何故日本企業が提案する装輪装甲車が、落選したのか、その理由が具体的にはわからないのでは、企業の技術開発者達に指標が示せず迷走するだけではないでしょうか。
近年、日本企業の100社以上が、防衛関連事業から撤退するという事態を招いている状態は、極めて深刻な問題です。
政府は、安全保障を支える国防産業の再編、再構築を急ぎ、国防にまつわる汚職や利益享受には、さいきできない厳罰を法律に定めて下さい。
メディア報道では、日本の反撃能力保有表明により、日米安保協力が深化と活字が踊っている事に水を差す気は、毛頭ないのですが、1月9日に米国のシンクタンク「戦略国際研究所(CSIS)」は、中国人民解放軍が、2026年に台湾への着上陸侵攻を図ると想定したシミュレーションした24のシナリオで、CSISが最も可能性が高いとみられる条件で、行った3回のシナリオでは、中国の侵攻を阻止と判定されていますが、自衛隊の基地が中国のミサイル攻撃を受け日本が参戦し、自衛隊は、航空機平均122機、艦船26隻を損失し、米軍は、毎回2隻の空母が撃沈され、航空機168~372機、艦船7~20隻を失う結果が出ていて、日米の軍事力は、甚大な被害を受けるようです。
多大な犠牲を乗り越えて、日米、台湾の反撃により、中国海軍は、壊滅し台湾進攻に幕が下ります。
日本は、CSISの報告を参考にすれば、ロシアによるウクライナ侵攻が、そうだった様に中国が、多くのシナリオで在日米軍、自衛隊の基地を攻撃する事から、九州、沖縄の航空自衛隊基地の強靭化を急ぎ、反撃能力を維持、発揮出来る様に備えて下さい。
防衛省は、陸上自衛隊の「12式地対艦誘導弾」を射程1000kmに延す改良中で、2026年配備を目指していて、変則軌道をとる高速滑空弾も同時期の配備を計画しています。
それに伴い12式や新型巡航ミサイルの開発が、遅れた時に備えて、米国製巡航ミサイル「トマホーク」を2027年までをメドに500発の購入が決まったようです。
トマホーク500発は、英国防省が、購入した価格を参考にすると約1500億円なりますが、今回日本が購入する金額は、幾らになっているのでしょうか。
このトマホークは、射程が、2000~3000kmあり、開発や戦闘で使用されてから20~30年が経過していて、改良は、続けられていますが、旧型に位置けられる巡航ミサイルです。
確かに中国の主要な海軍基地までは、1000㎞前後で、空軍基地は、概ね1300㎞内に、地上軍の基地までは、1500㎞以内である事から攻撃可能になります。
又、広島から平壌まで約800㎞、北朝鮮全土まで約1000㎞と十分射程圏内に入る訳ですが、仮に中国から弾道ミサイルが、発射されると日本の着弾場所にもよりますが、10数秒前後で到達します。
日本は、反撃能力を行使してトマホークを打ち返したら、亜音速の時速880㎞で飛翔して、地上軍の基地まで、約2時間近くかかり、中国の重要基地には、「S-300」や「S400」防空ミサイルが配備されていると仮定すれば、撃墜される可能性が高くなります。
こののんびりとした反撃能力で、抑止力になるのでしょうか。
米海軍の公式発表では、トマホークの射程は、1600㎞以上と紹介されているのは、速度の遅い巡航ミサイルは何度も旋回し、迂回飛行しながら行き先を騙し、奇襲攻撃すると使い方になるので、最大射程は有効射程として使わないのが普通だそうです。
只、軍事大国では、撃ち落されない弾道ミサイルの開発が焦点なのに、退役間近と言われるトマホーク購入の意味は、台湾有事が差し迫っているという事なのでしょうか。
CSISは、安価で導入出来るトマホーク巡航ミサイルは、75%撃墜、撃ち落されないと語っていて、トマホーク最新型「海洋打撃トマホーク」は、対地、対艦兼用となり、量産が開始されるそうです。
日本の置かれた情勢を考えると、海洋打撃トマホークは、島嶼防衛と敵基地攻撃にも使える使い勝手の良い抑止力になると防衛省は、判断したようです。
戦争は、誰も望んではいないはずですが、大国ロシアによる隣国侵略が起きてしまいました。
戦争を避ける為の外交交渉は、勿論ですが、左派政党や左派市民団体の説く非武装中立の主張では、侵略者を増長させるだけで、民主主義の自由を捨てて生き辛い
体制に従う事です。
戦争を避ける一番の方法は、侵略者は、勝てると判断し行動を起こす事から、勝てないかもしれないと思わせる事が、抑止力になると言う事です。
国防には、コストが掛かるのは当然で、そのコストを補う為に昭和から続く補助金のバラ撒き先を解体し、国防を縛る目的で作られた現憲法を、改める国家戦略を構築する事を願います。
情報関連では、日本のサイバー防衛では、有事の対応は難しいと言われています。
戦略常識は、侵攻直前にサイバー攻撃が始まり、通信、電力の遮断を仕掛けます。
侵略国家では、数千人から数万人のハッカー防衛隊は、国際標準から1桁も2桁も小さい部隊です。
任務は、スパコンや量子コンピューターを装備したサイバー情報センターで、サイバー空間をダムの洪水のように流れていく天文学的なデータを監視し、ロシア、中国、北朝鮮から送ってくるマルウェア(スパイ用ウイルス)を退治するのが本来の仕事で、発信元を特定し、積極防御するのが任務なのですが、自衛隊には、「不正アクセス禁止法」と言う国内法がかけられていて、サイバー空間で敵を監視できない仕組みが作られています。
何処の国でも軍隊は、他国軍隊や諜報機関の通信傍受、暗号解読が、正当な業務になっているのに、日本のサイバー防衛隊の手足を縛る国内法で、戦えない状態を左派野党に作り出されています。
これは、政権与党に事なかれ主義が蔓延していた結果で、保守政党の怠慢です。
法改正を急いで下さい。
サイバー攻撃に平時も有事もなく敵は、毎日執拗に高度なマルウェアを送り込んでいて、平時に情報は、筒抜けになり、有事には、破壊活動を行いシステムダウンを狙います。
サイバー戦争は、平時から始まっている事から、平時に備えて置かなければ有事には、対応できません。
仮に、沖縄電力が狙われ沖縄がブラックアウトすれば、自衛隊に米軍は、戦う前に防御態勢が崩され、勝敗を左右されてしまいます。
この様に現代戦争の鍵となるサイバー防衛の重要性を政府は広く国民と共有する為に、情報を隠さず発信する事をお願いして終わります。
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