今年3月に大手製薬会社アステラス社、社員の日本人男性が、2014年に作られた「反スパイ法」違反の容疑で中国当局に帰国直前の空港で拘束されました。 これは、キャリーケースに詰め込まれた私物に加え、重要情報の入ったパソコンやUSBメモリーも一挙に押収できるタイミングを狙った当局の拘束です。 中国では、同法の施行以降、17人の日本人が、スパイ活動の容疑で拘束されています。 中国の「反スパイ法」条文には、具体的なスパイ行為を挙げてありますが、最後にその他のスパイ活動を行う事と書いてあり、これは、中国当局が「スパイだ」と決めたら、何でもスパイ行為になる事です。 日本の裁判は、基本的には、公開で行われるているのですが、中国の裁判は、密室で行われる事から、不透明な形で人質外交、見せしめに利用されています。 2017年に施行された中国サイバーセキュリティ法と2021年に施行されたデータセキュリティ法は、日本企業が持っている中国にあるデータサーバーに当局が、何時でもアクセス出来て、企業は、データの中国国内保存が、義務付けされている事から、力のない日本政府を無視した中国国内に在る特許技術を持つ日本企業から、中国に民間企業が在るのか別として、中国政府が、必要とすれば何時でも搾取可能な習共産党の為の法なのです。 中国に進出している日本企業は、十分にこの現状を認識しているのでしょうか。 現地で働く日本人従業員、社員の安全は、確保されているのでしょうか。 中国という国には、幾多ものリスクが存在していて、国家安全法や国家情報法、国防動員法などが在り、特に国防動員法は、中国に進出している企業を含め、あらゆる組織の人的資本や金、アセットの徴用が合法化され、戦時統制化に置かれる事になります。 習共産党政権が、有事と判断すれば適用されるのです。 仮に台湾有事が起これば、十分その可能性は、高まる事を経団連は、理解できているのでしょうか。 日本政府に中国で働いていた残留日本人保護を求めるには、有事が収まる7年~8年は無理だと思われます。 今現在、中国に進出している日本企業には、現地での設計に生産を外資企業に要求する複合機問題や合弁会社による技術流出リスクなど、中国による半強制的な技術移転、反外国制裁法なども在り、いずれも中国政府による恣意的な運用が懸念されるものばかりで、中国の「法」が、いかに近代民主主義国家の法の理念と隔たっていて、人権などなく生命の危険さえ在ります。 アステラス製薬社員の中国当局による拘束に、日本経団連は、批判が始まる前まで抗議の声明を発信しなかったのは、人命よりも利益が第一と思考するからなのでしょうか。 主要先進国には、スパイを取り締まる法制度が整っているのにG7に入る日本国だけが、この法律がなく、中国に対抗処置が取れない歯痒さは、国会議員の怠慢です。 日本でスパイ法が出来ても一般国民が、拘束される事は無いのに不安を煽り、法案成立を阻止する国会議員は、一体全体何処の国のスパイなのでしょうか。 話は逸れましたが、中国に展開する日本企業のビジネスマンは、生産コストだけではなく、政治的コストを金額化して織り込まなければならなくなっていて、企業のトップには、総務や法務の経験を持つリスク管理が出来る人物に体制を変える必要があるそうで、今後の中国ビジネスには、「セグリゲーション(業務における執行者と承認者の権限と職員を分離し、明確に定める事)」を徹底する事と言われ始めていますが、社員の安全を第一に考慮したら他国に移転、又は、撤退が正解なのではないのでしょうか。 話題は変わりますが、4月6日に陸上自衛隊第8師団長に幹部7人が搭乗した「UH60JA」が、沖縄県宮古島周辺海域で消息を絶つ衝撃的報道が飛び込んで来ました。 陸自ヘリが、消息を絶った当日の21時には、防衛大臣に陸上幕僚長のヘリが発見されてもいないのに、早々に「航空事故」と断定している不可解さは、何故幕引きを急がねばならないのでしょうか。 陸自第8師団は、機動師団に改編された西部方面隊で、那覇駐屯地に所在する第15旅団の増援部隊として、島しょ防衛態勢第一列島線の抑止・対処の役割を担う部隊です。 坂本師団長の着任早々に宮古島周辺の飛行の目的は、有事に派遣されそうな地形をみる「視察」だったと公表していますが、真の目的は、宮古島周辺の中国艦艇の偵察だったようで、目撃証言複数の陸自ヘリの珍しい戦術「低空飛行」が物語っています。 宮古島周辺の海域には、中国艦艇が複数展開していて、その陣様は、ミサイル駆逐艦2隻、フリゲート艦2隻に、太平洋初進出の空母「山東」、高速戦闘支援艦、情報収集艦などそこそこの布陣でした。 陸自UH60JAを時系列で追うと、宮古島分屯基地を15:46分離陸、15:45分に下地島の空港管制官と2分の交信、その後15:56分に航跡が消失しています。 「たら、れば」の憶測は、いけないのですがスパイ若しくは工作員による第8師団長一行の行動が、把握されていてしかも通信傍受され、洋上に出たタイミングを狙われた可能性は、ないのでしょうか。 2020年に台湾で起きていたUH60Mの参謀総長を含む幹部8人が死亡した謎の墜落事故と今回の陸自墜落UH60JAの状況が余りに酷似している事です。 それは、台湾軍参謀総長(軍のNo2)は、台湾軍と米軍との連携のキーマンだった事で、自衛隊の坂本第8師団長は、台湾近辺の島しょ防衛のキーマンであった事です。 しかもこの二人とも幹部複数名同席で、葬られている事から、何処の国が漁夫の利を獲たのでしょうか。 偵察気球の試運転に日本を指名し、空母「山東」の太平洋デビューと妄想の謗りは免れませんが、電磁波砲など新型兵器の使用効果を陸自UH60JAで試したのではないのでしょうか。 或は、中華ステルスドローンによる衝突なども推察されます。 今、中国が最も力を入れているといわれる「電磁波兵器」が挙げられます。 人民解放軍は、実戦への試験機会を増やしていて、痕跡を残さないこの兵器は、高出力のマイクロ波を発射し、電子機器を無力化するエネルギー兵器で、20年インドとの領有権争いでは、人体への効果を狙って使用されています。 最近では、発射装置の小型化が進んでいるようで、各国が、開発と同時に防衛対策を急いでいます。 消息を絶った時刻に近くの海域にいた漁師さんの無線に「高めのギュィーン」と音のノイズが入ったと証言していて、引揚げられたローターブレードも焦げているようです。 UH60JAには、強い衝撃、もしくは浸水時に救難信号を発生させる無線が搭載されているのに、信号は確認されていません。 又、手動で作動する異常を知らせるトランスポーターという装置も作動していないようで、電波も受信できていません。 一日も早い真相が解明される事が、待たれます。 4月8日に下地空港に在韓米軍のF-16戦闘機2機が、緊急着陸しているのは、何か関連があるのでしょうか。 消息不明に遭われた自衛官の皆様の御冥福を祈ります。 |
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