四月の国会に、日本学術会議の改革法案を後藤経済再生大臣の愚申(愚の方の具申)を受けい入れた岸田さんは、法案提出を見送りましたが、後顧の憂いを先送りする悪しき時代の中曽根元首相の手法では、激変する西側民主主義陣営の経済を含めた安全保障体制にそごを生じかねません。 スパイ防止法を含めた日本化学、物理学、貢献会議を創設する法を可決し、日本学術会議には、民間で自由に活動して頂くのが、時代の趨勢なのではないしょうか。 国内問題が色々ありますが、4月28日の新駐日中国大使の記者会見で、日本が台湾問題を安全保障政策と結び付ければ、「日本の民衆が、日の中に連れ込まれる事になる」と日本国民を恫喝するなど、中国外交官には、自国を過信した権力志向が強い上位者に忖度するヒラメ外交官が多い様です。 まるで中国の属国の様に振る舞う駐日大使に中国のポチ林外務大臣は、予想通り呼び出して、厳重抗議もせず「外交ルートを通じて抗議した」とポーズの官僚による電話1本ですましています。 5月10日の衆院外務委員会で、立民の松原議員が「断じて許すことはできない。国外追放するべきではないか。」と日本側の対応をただしている事が正常で、岸田さんは、松原さんに外務大臣をお願いすれば、情報漏洩を懸念する米国も安心するのではないのでしょうか。 知日派と言われる新駐日大使ですが、抑も中国政府には、知日派の党員など一人も存在しない事を日本政府は、認識してください。 中国の習さん、ロシアのプーチンさん、北朝鮮のキムさん、共産主義、社会主義の人民を掲げる国は、一人の独裁者で物事が決まる現実を直視してください。 中国の世界2極化戦略のエネルギー政策を見てると、LNG(液化天然ガス)のパイプラインは、ミャンマーパイプライン、トルクメニスタンからの供給体制を着実に築き上げています。 再生エネルギーでは、水力発電、風力発電、太陽光発電など関連設備の製造では、世界ベスト10の多くを中国企業が占めていて、グラスゴー気候合意(排出権取引の規則を定める)に基づき世界が、再エネシフトに拍車をかける程、中国の関連企業が潤う仕組みとなっている事から、OPEC以上に中国の再エネ支配が益々強まる可能性を秘めています。 電気自動車で存在感を高める中国製造業の躍進は、目を見張る物があり、2021年の世界電気自動車販売台数の1位は、米国のテスラですが、中国でも生産していて、上位10社の内、中国企業が8社入っています。 この背景には、中国政府の政策があり、国内向けに購入補助の免税を消費者に与え、企業には、従来の燃料車の生産、輸入台数に応じて、新エネルギー車(電気自動車、プラグインハイブリット車、燃料電池自動車)の生産義務を課しています。 中国は、省エネ、新エネ車の技術、ロードマップ2.0というものを発表していて、2025年までにガソリン車の割合を40%に、2030年に15%、2035年には、0%に減らすと言う目標を掲げています。 中国は、CO2の排出量が、ダントツの世界1位で、2位の米国の2倍、3位インドの4倍の量を排出しています。 習さんは、国連総会において、カーボンニュートラル政策の長期構想「3060目標」を発表していて、中国の天然ガス供給の対外依存度は、45%を上回り、消費者が増加傾向にある事から、ロシアからの東シベリア、西シベリア天然ガスパイプラインの建設を進めています。 又、他のエネルギー諸国とも精力的な資源外交を展開していて、サウジアラビア、ロシア、イランへの天然ガス開発、技術分野での協力に金融分野における協力で「脱ドル政策」を推進する事が見えてきました。 この様に中国は、エネルギー政策に敏感なのに日本国は、何故海洋資源開発に消極的なのでしょうか。 法的問題が在るのならば、立法府では法律を作れば良い事なのですが、中国に忖度する国賊議員やスパイ法に反対していたスパイの様な議員が、反対するから出来ないのでは問題です。 岸田政権は、しっかり舵取りをお願いします。 日出づる国(ザ・ライジング・サン)の輝きを再び取り戻す為にも日本経済の再建には、半導体産業の復活は、欠かせません。 米中対立が本格化し、安全保障と経済安全保障の問題が、クローズアップされるにつれて、米国は、経済安全保障戦略を転換させ、先端半導体分野のサプライチェーンの複線化にかつて半導体王国だった日本をパートナーとして指名しました。 1980年代に日本の誇りもあり、米国の韓国サムスン電子へのバックアップや日本半導体協定の締結を迫るなど、徹底的な日本半導体産業潰しを仕掛けてきた米国の手のひら返しは、屈辱ではありますが、日本政府、経済産業省は、米国の半導体戦略の転換を「歴史的な好機」と捉えて、2022年5月に「日本半導体協力基本原則」に合意しています。 米国の半導体戦略の転換の背景には、業界トップの規模と技術を誇る台湾積体電路製造(TSMC)の本拠地である台湾が、中国の軍事的侵攻のリスクにさらされている事と、米メーカーの下請け企業だったTSMCが、圧倒的な強さを持ち、米国企業との力関係が逆転している事にも、米国政府はリスクを持っていいる様です。 2位の韓国サムスン電子は、先端半導体の設計や製造を一貫体制で行う能力ある企業ですが、同社を含む韓国勢が、製品の3~4割を中国に輸出する経営的な中国依存度の高さは、容易に解消されない事から、米国のサプライチェーンとしては、全く信頼できない存在になっています。 又、米国の半導体企業のインテルは、今年漸く「7ナノメートル」の半導体の量産を開始する段階では、台湾TSMCが2020年に「5ナノメートル」の量産を開始している事を勘案すると憂慮される遅れが生じています。 この様な業界事情に加えて、コロナ禍に伴う世界的なサプライチェーンの混乱で半導体を使う製品が、滞った事やロシアに対する西側の制裁で半導体不足に陥ったロシアの兵器製造が、滞った事で改めてサプライチェーンの重要性を浮き彫りにしています。 米国のサプライチェーンの強靭化、複線化戦略には、この様な背景がある事から、電子機器の頭脳となるロジック半導体の2ナノメートル(10億分の2メートル)の試作に成功しているIBMの技術(設計図)を日本政府全面支援で2022年8月に設立された国策会社ラピダスにエクスクルーシブ(排他的)で供与するものです。 日本政府は、ラピダス設立前から支援体制作りを進めていて、技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)を設置し、2022年12月には、ベルギー政府の研究開発機関アメックと連携する協定を結んでいます。 これは、技術的ノウハウを補完するもので、さらにオランダのASML社から2ナノメートルの製造に不可欠な特許を持つ製造装置の買い付けを進めています。 北海道千歳市に開発と製造の拠点を置く国策会社ラピダスの2027年量産化プロジェクトには、技術開発や量産化の為の設備投資に毎年「兆円単位」の資金が必要になります。 又、有能な技術者の確保にメジャーリーガー並みの給与システムが必要になると考察されます。 私個人が疑問に思う事は、何故北海道だったのでしょうか、尖閣諸島から離れていますが、プーチンさんが近い北海道の土地や施設を中国人が買い漁る現状で、セキュリティは万全なのでしょうか。 難しい課題が山積みしていますが、日の丸半導体の復活を期待して終わります。 |
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