9月11日に経団連 十倉会長は、2024年度税制改正の提言で、社会保障制度の維持に向けた消費増税が、選択肢の一つだと公表していますが、厚生労働省が、発表した7月の毎月勤労統計調査の実質賃金は、2.5%減で6ヶ月連続マイナスです。 いまだに物価上昇に賃金が追い付かず、社会保険料は、年々増加の一途を辿るという中での消費増税は、加計に大きな負担になります。 少子化の要因としての経済不安が指摘されていますが、消費増税は、低所得者ほど負担割合が高くなる逆進性をはらんでいます。 上級国民かどうかわかりませんが、2023年3月期の報酬として、1億1800万円を受け取る十倉会長と庶民とは、大きな乖離があるようです。 実質賃金が、プラスになるまで賃上げを実現してから消費税に触れて下さい。 生活保護を受ける生活に困窮する高齢者世帯が、年々増加していて、100万世帯に迫っています。 しかも生活保護を受給する世帯は、高齢者世帯が5割を超えていて、年金の「最低生活保障」という役割が問われています。 生活保護制度の生活扶助費にも満たない給付しか受けられないのなら、年金制度が、何の為に在るのか国民の理解は、得られないでしょうか。 政府は、基礎年金の底上げを財政調整で、強化しようとしていますが、目指す水準が示されていません。 基礎年金によって、老後の生活の基礎的な部分が保障されなければ、生活保護に頼らざるを得なくなり、結果は、高齢者の多くが生活保護受給者になる事態になれば、年金制度を支えてきた多くの国民の保証料を支払う理由がなくなります。 特に国民保険は、収入に関係なく定額の負担である為、収入が、低い程、負担率が高くなり、消費税同様に逆進性が強く、又、免除を受けると年金額が減ってしまいます。 厚生年金には、現役世代の所得代替率5割という目安がありますが、国民年金にはありません。 高齢化社会が進む中、どれ位の水準まで保障するかという議論がないのは、国会議員の怠慢で大問題です。 高齢世帯が、生活できる年金制度体制に移行しなければ、生活保護制度が、疲弊してしまいます。 日本と同様に基礎年金制度を持つカナダやデンマークと比較すると水準自体は、それ程差がない様ですが、低所得者への補足的な給付があり、日本の形骸的な1万円前後の支援給付金制度とは違う弱者に寄り添う制度をカナダとデンマークは、執っています。 又、諸外国の中では、平均所得と比べた年金水準は、日本は、かなり低いのも事実です。 生活保護には、最低の生活を保障するという理念に基づいて決められる生活扶助の水準が目安で、地方都市では、7万円位です。 国民年金の満額が、約6万6000円では、家賃や公共料金もあり、生活が困窮するのは、当然です。 年金制度は、女性が、一人で生活する事を想定して、設計されていない事も問題です。 家事育児を妻にやってもらい、長時間労働に邁進する既婚男性がいて、妻は、家計補助の低賃金で働く事が、前提になっているようです。 日本国民は、20歳になると国民年金か厚生年金保険に加入する事が、法律で義務付けられています。 公的年金は、みんなが加入し、世代間扶養という考えの基に世代と世代が支え合う制度ですが、未納の国民が、多いのも事実で、日本年金機構に未納の徴収を丸投げでは、任意の納付には、限界があります。 所得税の様に日本国民であれば、自動で徴収できる制度の法改正が、必要なのではないでしょうか。 老後の生活保護を目的に未納を決め込む残念な人達は、入管特例法(日本国との平和条約に基づき日本国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法)の該当適用者ではない特別永住者の様です。 日本の生活保護法は、日本国籍の国民の為の最後のセーフティーネットです。 憲法違反になる外国籍の人達の給付を改め厳格な適用を自治体は、行ってください。 除外された外国籍の人達は、自国の在日大使館に相談するか、NPOに相談する事をお奨めします。 話題は変わりますが、防衛大学現役教授が、実名告発とショッキングな報道が、ありました。 文官教官(民間の研究者から選抜される)が、厳格な審査を受け採用されるのに自衛官教官には、厳格な資格審査がありません。 文官教官の「講師、准教授、教授」の採用は、これまでの研究実績によって決まるのですが、自衛官教官の場合は、1佐以上の階級なら防大補職で、自動的に「教授」となり、2佐、3佐なら「准教授」の地位が与えられるのは、資質と適性を考慮しておらず、問題があります。 一般的に階級が高い人ならそれなりの人物と思うのですが、実態は、部隊や諸機関で持て余された人達が「手軽な左遷先」として、防衛大に送られてくるそうです。 教育部署に回される自衛官の類型を揶揄して使われている「病人、けが人、咎人」の隠語があるそうですが、日本の安全保障を担う重要な人材の育成を目的とする防大の役割は、大きいものなのに咎人を教官にする事は、大問題です。 パワハラや服務違反を起こしたり、職務上のミスを多く犯した学識も論理観も低い者が、教官として教鞭をとる弊害は、極めて大きいと思われます。 2022年3月に卒業した学生479人のうち、72人が任官を辞退している事や同年4月入学者488人の学生の約2割が退校していて、更に2022年4月から2023年3月までの1年間に、2学年、3学年の学生約40人が対抗している事は、大問題なのではないのでしょうか。 無責任な官僚や幹部自衛官は、この状況をどう捉えているのでしょうか。 体を鍛えるスポーツ科学が、主流なのに旧態依然とした体育界系の運動を推奨する教官がいたり、先の大戦の1944年に起こしたビルマから山岳地帯を470キロ行軍し、インド、インパールにあったイギリス軍の拠点を攻略しようとした作戦は、補給を度外視した精神論作戦で、当然惨敗に終り、3万人も将兵が行き倒れた道は、白骨街道と呼ばれたインパール作戦は、大東亜戦争で最も過酷で無謀な戦いとして、後世に知られている事実を美化して教える教官がいたら、教訓にならないのではないでしょうか。 因みに、インパール作戦を指揮したのは、ビルマ方面軍の田中新一参謀長で、参謀本部第一部長の時に米国との開戦を強硬に主張した人物でした。 ビルマ侵略後の日本の将兵の死者は、16万7000人でインパール作戦後に、更に10万人以上もの命が失われています。 インドに駐留していたイギリス軍のウィリアム・スリム司令官は、「日本軍の指導者の根本的な欠陥は、肉体的勇気とは異なる[道徳的勇気の欠如]であるとし、計画が失敗し、練り直しが必要である事を認める勇気がない」と述べています。 自衛官教官にも採用基準を明確に示さなければ、有能な学生が、育たないのでしょうか。 階級で決める事は、問題が在り過ぎます。 新兵器を導入しても、それを扱う兵士を指揮する指揮官が必要で、この重要なポジションに送るのが防大です。 一刻も早い防大改革が、待たれます。 |
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