焼肉屋店主の主張 其の五十三

人生100年の時代といわれる昨今、日本では、2人に1人がガンになり、3人に1人がガンで亡くなるそんな時代になってしまいました。
1981年に脳卒中を抜き、ガンが、死因の1位になり、罹患数(病気にかかる数)死亡数とも年々増え続けていて、現在では、2倍以上にもなっています。
世界的に見ても、ガンは、患者数、死亡数も増えていますが、亡くなる人の65%は、発展途上国の人達で、先進国では、ガンが原因で亡くなる人は、減り続けて米国では、毎年5%ずつ死亡数が減っています。
1995年の時点では、日本と米国のガンの推移は、同程度でしたが、日本では、増加が止まらず差が開くばかりです。
人口10万人当たりで換算すると、日本人の年間死亡率は、米国の1.6倍(日本約35.5万人、米国57.5万人)にもなっていて、日本は、先進国の中で、ガンが原因で亡くなる人が増え続けている唯一の国なのです。
先進国の中でも日本の医療は、トップクラスで手術の技術は、世界一とも言われているのに何故ガンで亡くなる人が、増えているのでしょうか。
日本の医師や医療関係者は、概ね「日本は、高齢化社会なのに検診の受診率が低く早期発見が遅れる予防医学の後進国だから」と話します。
「ガンは、遺伝子の異常が積み重なる事で発症します。
その異常の多くは、生活習慣に由来する炎症や化学薬剤、放射線など外的要因によるもの。
或は、新陳代謝で細胞が、分裂する際にある一定の確率で遺伝子に異常が起こる。
つまり、長生きすればするほど遺伝子に異常が起きる可能性が増えるので、ガンになる確率も高くなる。」そうです。
確かに高齢化が進む程、ガンの患者が増える事は、まぎれもない事実ですが、果たして高齢化だけが、ガンの要因なのでしょうか。
独国でさえ、国民の健康生活を支える食品添加物は、64品目なのに、日本の世界が使用を制限、禁止する食品添加物も含める1500品目を長年摂り続けさせる食習慣には、問題はないのでしょうか。
先進国の総人口に占める割合を示す高齢化率を見ると、日本は、世界1位で24.4%、2位ドイツ21.1%、3位イタリア20.8%、そして、フランス17.5%、米国13.6%など高齢化しているのは、同じでも日本以外の国では、ガンの死亡数は、増えていません。
米国では、ガンなどの現代病が増え続けて、国家の財政を圧迫している事が、1970年代から問題視されて、当時のフォード大統領が、栄養問題特別委員会を設置し、国民の栄養と病気の関係を調査させた結果、現代病は、薬では治らず、ガンを減らすには、食事の内容を変えなくてはいけない事が判明しました。
米国は、この結果を踏まえて、国家プロジェクトを立ち上げFDA(食品医薬品局)や米国立癌研究所が、健康の為の数値目標を設定したり、予防効果があると言われる食物の作用の研究を進めた成果が実り、1992年以降、増え続けたガンの死亡率が、減少に転じたのです。
米国が、食生活の改善で、ガン死亡数が減少したといわれても、日本人からしてみれば、現在でも肉食中心の欧米人よりは、健康的な食生活を送っているはずと多くの国民が思いますが、それは、大きな誤解だそうです。
現代の日本人は、食生活の欧米化が進み、肉の摂取量は、50年間で約10倍、脂肪分は、約3倍にも増えていて、逆に野菜や果物の消費は減り、米国を下回っています。
日本人と欧米人とでは、そもそも体質が異なるので、同じ食事を摂っても日本人の方が、糖尿病になる確立が高いそうです。
糖尿病になると、インスリンというホルモンの血中濃度が高まりますが、これはガン細胞の増殖を促す作用があり、発ガンリスクが、2割程高まる事が分かっています。
日本では、ガンと診断されたらまず、外科に行くのですが、欧米では、外科医と放射線科医、抗ガン剤を専門とする腫瘍内科医の3者が、その患者にとってベストの治療法を話し合うというのが、基本だそうです。
日本でも厚生省の指導の基、専門医が話し合える風通しの良いシステムが、ガン治療には必要なのではないでしょうか。
多くのガンでは、手術と放射線治療の治癒率は、同じというデータも出ていますが、日本では、ガン治療の先入観からか、まず、手術が選択される事が多いそうです。
米国では、放射線治療の割合は、60%程度ですが、日本では、25%と圧倒的に少ない様です。
ガンには、見つかった部位によって、目安があるそうで、胃や腸にできたガンには、手術が向いていて、これ以上のガンは、実は全て放射線でいいと言うと驚くかもしれませんが、医療先進国である欧米では、これがスタンダードだそうです。
日本のガン治療法の朗報は、東京工業大発バイオベンチャーが開発した、がん細胞を兵糧攻めにする治療法が、これからのガン治療の主役になりそうです。
この治療法は、紙おむつなどで使われる高吸水性樹脂「SAP」を独自技術でナノ(10億分の1)サイズに極小化した腫瘍封止剤「ナノサップ」をカテーテルを使ってガン細胞にピンポイントで投与し、ガン細胞を包み込む事で、酸素と栄養の供給を遮断して、死滅させる治療法だそうです。
しかも、正常細胞を傷つけることなくガン細胞を無力化でき、手術や放射線治療、抗ガン剤治療に比べて患者へのダメージが少なく、医師の技量に左右されず、副作用や薬剤耐性も少ないそうです。
実証済みの理論と技術、材料を組み合わせていて、低価格で提供できる事から身体的、精神的、経済的負担から治療を諦める患者を救える画期的な治療法として、大いに期待されています。
メディギア・インターナショナル社は、2022年には、治験を開始していて、ナノサップを使った腫瘍封止法が、安全且つ有効である事が確認され、2024年に厚生省認定機関である医薬品医療機器総合機構の承認審査を経て、2026年製造販売を目指しています。
このナノサップは、当初、肝臓ガンを対象に研究開発を進めていたのですが、多血性固定ガンも作用原理的に近いと判断され、5年生存率が低いとされる肺がん、膵臓ガン、乳ガンを加えた4種類のガンをターゲットに1兆2000億円と言われる巨大海外市場を視野にしているそうです。
日本医療発の治療法が、世界のガンで苦しむ患者に光明を与える希望になる事を切に願います。
厚生省は、大手製薬企業や利権に浸かった権威医師達に忖度せず、日本医療の未来の為にもバイオベンチャーカンパニーを支援バックアップし、世界に誇れる企業に育てて下さい。
厚生省認定機関に問題があるのであれば、役員全員を入れ替え、新たに清廉潔白な医療に情熱を持つ人物達を任命する様、指導する事を進言します。
話題は、生から死に大きく振れますが、終末期医療は、政治では、タブーなのでしょうか。
何故欧米には、いない「寝たきり老人」が日本では、200万人もいるのでしょうか。
物が食べられなくなった高齢の入院患者が、老人ホームなどの高齢者施設に映る際には、「胃ろう」を造設しなければ、受け入れてもらえない状態があります。
胃ろうとは、腹壁を切開して胃内に管を通して、直接食物や水分、医薬品を投与する為の処置をする事で、家族は、自宅で介護をするか、経管栄養の為の処置をしてもらうのか選択を迫られ、自宅で介護出来ない場合は、家族が希望していなくても、胃ろう造設を選ばざる得ません。
本人が、延命治療を希望していなくても、選択を迫られる時には、本人が意思を示す事が出来ないので、家族の希望で延命治療が行われるているのが現状です。
又、リビング・ウイル(終末期に受ける医療について希望を書いた書類)があっても、法的に認められていない事から無視されます。
これは、左派野党の得意分野の人権侵害そのものなのに、何故声を上げないのでしょうか。
本人の意思を尊重する財産の遺言状は、尊重されているのにリビングウイルは、認められない不条理、政治家の怠慢です。
欧米では、胃ろうなど経管栄養や点滴は行わず、食べるだけ飲めるだけにして、安らかに看取っている為、寝たきり老人はいません。
日本の医療は、年齢に拘わらず命を永らえる事を目指してきて、法律もその様になっています。
只、延命治療をしているだけでは、高齢者を苦しめているだけで、そこには、人間の尊厳が存在しません。
自力で食事が取れなくなったら、それが天命で、意識なく命を長らえても至福は望めません。
リビングウイルで本人が、希望した尊厳死を可能にする法律の改正が、今、求められていて、それが大儀だと私は愚考します。
若者の自殺と長い闘病生活に見切りを付け、選択する高齢者の尊厳死を同列に論じる事の無い様にお願いして終わります。
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