今話題になっている米国を偵察する中国の領空侵犯する気球が、米空軍に続け様に4機も撃墜されています。 気球の話題に入る前に、近年の習共産党政権の動向を皆さんも御存知とは思いますが敢えて触れて話します。 昨年9月にスペインの人権団体が、発表した報告書によると、五大陸53カ国の102カ所に中国が、糊塗する「海外警察サービスセンター」を設置して「秘密警察」のネットワークが、無断で作られていたとネット上で訴えました。 この非公式警察署は、運転免許証や出生証明書の申請管理などを行っていると弁明していますが、これは、明らかに「ウィン条約」に違反で、旅券・査証の手続きなど定められた業務については、締約国の大使館や領事館だけが行うことが許されるものなのです。 この中国の非公式警察署は、日本国には、東京と愛知の2カ所に拠点があるといわれていて、電子通信詐欺を働く容疑者らを本国に帰国する様に直接的圧力や容疑者ら家族に圧力を掛ける間接的な手法を持って帰国させる事が任務といわれていますが、人権団体「セーフティー・ディフェンダーズ」によるとこの秘密警察の真の任務は、習共産党政権に批判的な在外中国人達の言動や行動を日々チェックし、場合によっては、強制的に帰国させる事で、2014年以降、政権批判を続けた在外中国人1万人余りを強制的な手段で帰国させています。 報告書は、在外中国人への人権侵害に留まらず、共産党政権によるこうした活動が、国際法の原則に違反し、第三国の主権侵害していると警笛を鳴らしています。 中国の法律には、国外での域外適用があり、海外に中国政府の機関があれば、当然のように主権侵害し、中国国内法を優先し施行しています。 そもそも中国共産党には、国際法を守り他国の主権を侵さないと言う概念がない様で、民主国家を縛る国際法は、利用するものと捉え活動し、潤沢な資金で批判を黙らせる手法で国連が、懐柔されていても沈黙していた事が、今日の中国の野望を増長させているのではないでしょうか。 一連の報道を受けた欧米各国は、主権侵害を許さない姿勢を示す中、日本政府の腰の引けた反応は、毎度の事なのですが、政権与党議員や各マスコミの上層部が、中国秘密警察に取り込まれていない事を願うばかりです。 善良な国民、若者が、事柄を聞いて「日本国内で悪さをする中国人を取り締まってくれて、自分達に人権侵害がないのならイイジャン」と沈黙する事は、中国共産党の行為を認める事になり、搦め取られてしまいます。 日本国の捜査機関である警察庁を全否定する主権侵害には、西側主権国家の一員として、中国共産党政権に毅然とした対応を取る事を岸田政権に要望します。 本題の気球の話題ですが、1月28日に米国、カナダの上空に飛来した中国の偵察気球は、2月4日大西洋上に出たところで、米軍機により撃墜されました。 この気球の撃墜は、一見簡単なミッションの様に思われますが、実は、信じがたい程に難易度が高く、米大統領バイデンさんの「称賛したい」と言う言葉は、強ち誇張されたものではない様です。 この作戦には、主役のF-22ラプターや空軍のF-15EX最新機イーグル2機、海軍からは、ミサイル巡洋艦、ミサイル駆逐艦、ドック型揚陸艦などそうそうたる艦艇が、支援に当たった事からも米国の威信を懸けたミッションであったことが窺え知れます。米国防総省は、ミション後にこの気球がトランプ前政権時代にも複数回、米本土上空を飛行していた事や、中南米、東南アジア、南アジア、欧州など5大陸の各地域でも飛行が確認されている事実を明らかにしています。 中国は、偵察機旧が撃墜された事について、即座に「遺憾の意」を表明するのは極めてまれだそうですが、これを受けた米国は、「留意する。しかしながら、米国の主権を侵害する明白な行為であり、国際法違反であり許しがたい行為である」と記者会見を行っています。 国際通念で、領空の定義は、高度22,2キロ(12カイリ)で、民間飛行経路は、約1万メートル付近が定められています。 中国の偵察気球は、高度約1万8千メートルを飛行していた事から領空侵犯が成立します。 米国防総省によると中国は、偵察衛星を260基保有、一方米国は、123基保有と述べています。 偵察衛星には、「周回低軌道(LEO)」と地球静止軌道(GEO)」とがあり、LEOは、至近距離から写真撮影できるのですが、90分で地球を一回りする為に撮影時間が短いそうです。 GEOの方は、長時間に亘り標的を継続的に撮影が出来るのですが、写真の鮮明さに欠けるそうです。 この様な事から、偵察気球には、監視カメラやレーダーセンサーを用意に装備でき、しかも安価で衛星よりも低空で比較的長時間局地的なデーター収集が出来るメリットがあり、ハイテクの進歩から米国は、偵察気球やドローンに重点を置いています。 米国の偵察気球には、アエロスタッツという赤外線カメラが搭載されていて、2004年のイラク戦争やアフガニスタン戦争で頻繁に使われました。 現在では、メキシコ国境周辺をドローンと併用して飛行させ違法移民や麻薬密輸の監視を行っています。 中国は、イラク戦争以降、米国の偵察気球を脅威と捉え、気球開発に着手し、2019年には、偵察気球の実験に成功しています。 中国人民解放軍は、同年に高高度「5万フィート(16km)」を飛行する偵察気球の撃墜訓練を実施した事を公表したのは、米国を牽制する狙いもあった様です。 中国は、偵察気球の実戦経験に日本を選んだかのように2019年11月に鹿児島、2020年6月仙台、10月に秋田、2021年9月には、八戸市上空で気球が確認されています。 この様に日本国上空を領海侵犯した気球が偵察活動を行っていた可能性が高い事は、由々しき事態なのですが、当時の日本政府の対応は、未確認飛行体と傍観を決め込んで、国家安全保障を放棄していました。 電子機器が小型化、軽量化して、通信も可能で人工衛星に比べてはるかにローコストで製造、運用できる気球は、核物質や生物化学兵器も搭載可能で、十分安全保障上の脅威になります。 これまで何度か確認されてきた中国の気球が、直接的な安全保障の脅威になっていなかったからと云って、これからも中国の気球が安全とはなりません。 中国、特に人民解放軍が、国際法上の航空機に該当する気球によって、他国の領空を侵犯すると言う行為が、相手国の重大な主権侵害に当たるという事を理解していないのか、したくないのか、国際法を遵守する思考が欠落しています。 「戦時国際法」や「国際人道法」によって、「民間と軍用の区別を明確にする」という原則を無視、又は、意図的に曖昧にしている事が、危うさを物語っています。 中国は、南シナ海の無人島を次々と要塞化して、自国の領海の様に振舞っている事態に、民間機と誤認するように塗装を施している中国空軍の電子偵察機(TU-154)がある様に「民間と軍用」を利用することを思考します。 大東亜戦争時に中国人民解放軍が、日本軍との衝突で敗れた敗残兵が闘争する時に多用した便衣兵(軍服を脱ぎ民間人に化ける)のゲリラ活動で、その地位を築いてきた中国共産党の悪しき伝統が、連綿と続いている事を私達日本人は、銘記して軍事力やGNPが、今や世界第二位の大国になっても国際法を軽視した自己中心的な覇権国家の野心的な行動を取る中国共産党と向き合わなければなりません。 我国日本は、国際法の秩序を守る事こそが、平和共存に欠かせない事と肝胆誓い、法の秩序を乱す行動には、断固阻止と対応し、必要であれば軍事力の行使も辞さないと云う覚悟が求められている時代に入っている事を岸田政権は、広く国民に啓蒙する事をお願いして終わります。 |
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