アジアインフラ投資銀行(AIIB)の危険性

   支那主導によるアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、英国を先頭に仏独伊など西欧各国の参加意思が表明され、世界50カ国以上にその輪が広がったことが、わが国に少なからぬ衝撃を与えたように見える。支那による先進7カ国(G7)の分断は表向き功を奏し、米国の力の衰退と日本の自動的な「従米」が情けないと騒ぎ立てる向きもある 。
 この流れを受けて朝日新聞など一部メディアは「日米が国際的に孤立」との論調を強めている。朝日の社説は「いつまでも日本は対米追従でいいのか」、と疑問を投げかけて結ばれている。

 朝日曰く、「戦後の国際金融は米欧を中心に動いてきた。日本は長年、米国とともに歩むことで一定の地位を保ってきてはいる。しかし、中国の台頭で、その秩序は大きく変わろうとしている。今後、日本はどういう立ち位置をとるのか。AIIBはそんな問題を日本に投げかけている。」
「米国は戦略もなく自ら孤立を招き、日本は顔色ばかりうかがっている。日本政府内部からは、米国が突然参加すれば、日本だけがはしごから落ちないという保障はない」

一方で支那共産党の楼継偉財政相は、「申請期限を過ぎても、日本と米国の参加を待ち続ける」と表明している。

AIIB参加申請期日は3月31日で終わっているにも拘わらず期日を6月まで延長してまで日米のAIIB参加を熱望するには、支那の魂胆が見え隠れするのは誰が見ても明らかであろう。

それは、日米主導で創設されたADB(アジア開発銀行)について触れておく必要がある。

 フィリピンマニラに本部を置くADB(アジア開発銀行)は、約50年に渡り、経済成長を続けるアジアの新興国の資金需要に応えてきた実績のある機関であり、歴代総裁は9人すべて日本人であり、3000人の熟練スタッフを擁している国際的にも高い信頼を得ている開発銀行だ。

 ADB(アジア開発銀行)では日米で15.65%づつ合わせて31.3%出資しており、以下、支那、インド、オーストラリアなどが出資している。 
しかも、過去のADB(アジア開発銀行)による融資の最大の受益国は支那であり、14年9月現在でADB貸付残高538億ドルの中で支那が26.8%を占めているのだ。

 ADB(アジア開発銀行)については、融資対象の事業が環境破壊や人権侵害を招かないかなどを審査が厳格であることで知られている。

このような厳しい審査は、国際的には高い信頼を勝ち取ってきており、ADBの格付けは最高位のトリプルAのため、低い利回りで資金を集められるメリットを生んでいるのだ。しかし、この厳しい審査基準は、大規模な経済開発の需要が旺盛な途上国には、ADBの審査は厳しすぎる、先進国主導だといった批判を生んでいるのも事実だ。

そこに審査を緩くする支那主導の新たにAIIBが今年から設立され、旺盛なアジア諸国の開発需要にこたえるべく1000億ドル(設立当初は500億ドル)の巨額の運用資金を支那が50%近く用意することで、支那の主導で投入されるというわけだ。

しかし、審査基準を緩めるとしたならば、これは不良案件に融資し資金が焦げ付くリスクを高め、あるいは環境破壊や人権侵害を招きかねない乱暴な開発案件の乱発を招く危険性もある。

日米主導で先行するADB(アジア開発銀行)は、厳しい審査で焦げ付き融資は皆無であり、従って格付けは最高位のトリプルAのため、低い利回りで資金を集められるメリットを生んでいる。

 これに対して支那主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)は、審査を緩め、おそらくADBでは審査が通らないだろうリスクのある開発案件も、融資を進めていくだろう。

 ここに日米が参加せずリスク案件に手を出すとするならば、支那主導のAIIBが格付け最高位のトリプルAと評価されることはあり得ず、となると資金を高い利回りで集めなければならずデメリットが発生する。

したがって、支那共産党の楼継偉財政相が、「申請期限を過ぎても、日本と米国の参加を待ち続ける」と言っている意味が分かるのではないか。

朝日新聞などの変態マスコミの主張がそのまんま支那共産党の言説であることが、如何に国益を損なう言論機関かが分かるだろう。

麻生財務相が言う「中国という国の社会では、貸し借りのルールが、杜撰で、道理が通らない社会である。その様な国が、世界の金融機関の主導役を果たすことの出来ないのは当然である」は、仮に参加すれば当然日本国民の血税が使われるのであり、返済見込みのないカネは出せないと言っているのである。

しかも、支那はADB(アジア開発銀行)の資産の内25パーセントものカネを借りておきながら未だに返済がないのである。
そのような国が主導する詐欺ファンドに日本は参加するべきではない。
逆に日本は、ADB(アジア開発銀行)に力を更に注ぎアジア諸国の中心となって発展させるべくチャンスではないか。

反日マスコミの正反対のことやれば、必ず日本の国益に叶うのだ。

 

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